今日もいつもと同じ。
怖いくらいに。
この高校に入学して2年目の秋、私はそんなコトを考えて、家庭科の授業を受けていた。
話を聞くだけの家庭科は、楽だけどつまらない。
キーンコーンカーンコーン。
いつの間にか、チャイムがなった。
「穂〜衣!」
チャイムが鳴り終わるや否や、梨絵が私の席に駆け寄ってきた。
小田 梨絵(オダ リエ)。
人付き合いの悪い私の唯一の親友。
「あ、梨絵。早いね。」
「私の取り柄は足と、すばしっこさだけだからね。」
梨絵は‘エッヘン’と胸を反らして言った。
「ねぇ、穂衣。
今日こそ図書室に行ってみない?」
梨絵は思い出したように言った。
「そうだね、今日こそ!
いい加減、図書室の前でコソコソしてるのも変だしね。」
そう言って私たちは図書室に向かった。