(水神side)


突然、桜木怜奈が倒れた。過去を語りだしてから様子が一気に変わった。

「おい!大丈夫か!」

桜木の体を揺すりながら旬が声をかけるが、返答がない。

「おい、やばくないか?!」

雅也が言った通り見た感じやばい。その状況を見て顔を白くてさせ、パニックを起こしている子が一人…。

「ど、どうしよう!?私のせいかな?!私が話してほしいって言ったからかな?」

「ちがうよ。大丈夫だから。旬、ソファーにその子寝かせて。龍生は氷の用意、雅也は毛布か何か羽織るものを持ってきて。」

葵衣は総長らしく的確な指示をした。
それに従って全員動いた。
しばらくして、桜木の呼吸も安定した。まずは、一安心だがあの話は相当気にしているだろう。

「さぁ、あの子の過去を聞いてどう思う?」

葵衣が全員に問いかけた。

「嘘ではなさそうだよな…。あんなに取り乱すとはな。」

「だよな。でも、あの謎に包まれてたやつがそうあっさり話すか?」

「何かを企んでいるとか?」

旬と雅也が2人で討論し始めた。

「企んではいるかもしれないけど、あの子の恨みは相当だ。」

「だよねー。あの子ってレイプだけじゃなさそうだよね。」

龍生の言葉に独り言のように葵衣が被せた。

「どうにかならないの?」

「美希ちゃんが聞けば教えてくれるかもね。」

「ほんと?!じゃあ、頑張って聞こうかな?!」

「頑張ってね。」

張り切る美希とは正反対の顔を4人はしていた。


(水神side)