「そろそろか」
「ん?何が?」
俺の声で起きたらしい。
ビクッとして跳ね上がり俺を上目遣いで見つめてくる。
無自覚だから、つらいんだよな。
「行くぞ」
「どこに?」
こてんと首を傾げる心菜。
「内緒」
これは内緒にしといた方が感動感あるだろ。
俺も父さんから内緒にされてたしな。
菜留は全然納得いってなかったみたいだが連れ出した。
顔が真っ赤になって誤魔化すように先に行ったけど行き先が知らないのを分かってか、また赤くなって俺と前後交代する。
手は繋がれている。
俺にしては結構な進歩だと思う。
心菜さんとか心配してたもんなぁ。俺たちのこと。

