「俊くんからは誰って聞かれるし、俊くんの隣にはあんたがいるし、もう嫌だったのよ」
「ふーん。で?」
聞いてると、結構なワガママじゃない?
なに?俊に会えないからって渚使って会うとか⋯⋯。
しかも、予想の俊と違った?
いい加減にして欲しい。その位、私たちにとってはあなたは他人なのに⋯⋯。
俊は、俊だし。
「ふふっ。だから、俊くんに近づかないでほしいの」
ニコニコした顔で言われた。
でも、目は笑ってない。
春樹もよくこんな顔するけど、全然違う。
楠さんのは、怖い。
そして、一瞬扉に目線を向けた。
何か、あるの⋯⋯?
ガチャ
そう思った瞬間、屋上の扉が開く。

