「あー。そうなのね!」
すぐに納得した美咲。
そこ、納得するんだ⋯⋯。
なんか、軽いな。
「あ!ピアノの時間だ!せっかくその前に渚くんと遊びたかったのに⋯⋯」
携帯を見てそう言って私を睨んでくる楠さん。
いやいや、私に言われても⋯⋯。なにもしてませんが?
時間速めることなんて出来ないし。
「まぁ、いいわ!明日もあるし。じゃあ、またね!渚くん」
バタンと音がして楠さんは出ていった。
え、明日も来るの?
明日もあの睨みを受けなきゃいけないのか。
「菜留」
「あ、俊。ごめんね」
心配かけちゃって。
「いいけど、大丈夫か」
「うん!もう元気!」
実際、普段の様子じゃない、渚にびっくりしただけだし。
渚をちらっと見るとまだ渚は怒りが収まってないらしい。