何度も何度ももたらされるこの感覚は、初めての私にはハードルが高いのにどこか優しくて拒否が出来ない。


唇を離してもらえた頃には、肩で息をする私と、それを意地悪な顔で見つめてくる会長。
そんな図が出来ていた。


「これで明日も頑張れるわー」


棒読みでニヤッと怪しい笑みを浮かべながらこちらの様子を伺ってくる会長を涙目で少し睨む。
そんな私の頭をぽんぽんと優しく撫でたその手は、大きくて温かい。



苦しかったけど気持ちよくて、なぜか泣きたくなるような、そんなキスだった。


「これで癒されるなら…いつでも…」




気付けば私は、そんなことを言っていた。