「おせーよ」


呆れたようにこちらを見る彼に、軽く頭をチョップされて。
なにこれ、やっぱりカップルっぽい……とか考えながら叩かれたところを自分でさする。


「ごめんごめん俺が引き止めちゃった」

後ろからニコニコしながら青山くんが言う。


「じゃ、俺もう行くからごゆっくり〜」


手をひらひらさせて生徒会室から出ていく青山くん。
その途端に2人きりという状況を強調させるかのように静かになる室内。


「桃杏、こっち」