「優、そこに座って」
下に降りると、
母が険しい顔をして、
椅子に座っている。
僕は、その向かいに腰を下ろす。
「どうしたの母さん?」
「これ」
母は、それ以上はなにも言わず、
一通の手紙を僕に渡す。
僕は、便箋を見て
すぐに誰からかわかった。
琴だ。