そんな私に、母は一生の宝物とも言える武器を授けてくれた。それは、「文章を書く力」である。
小学1年生の頃、毎週末に日記を書くのが母との約束だった。しかし、私はこれは義務というよりも、1つの楽しみだった。ノートの上なら、私は誰の評価も気にせず、のびのびと自分を表現することが出来た。話すことは苦手だったが、書くときはまるで川の水のように次から次へと言葉が湧き出て来たのだ。
この文章を書く力は、先生にも認めてもらえた。小学校四年と六年の時には県の文集に載る事が出来た。それより何より嬉しかったのは、大好きだった小学六年生の時の担任の先生の「あなたの文章を書く力は素晴らしい宝物です。」という言葉と中学1年生の時の担任の「貴方の日記を読むのが毎日の楽しみなんです。」という言葉だった。私は、誰かの評価が欲しくて書いてるわけではなく、書きたいから書いてるだけだったのに。でも、その頃から「自分の長所を使って人を元気にしたい」と思うようになった。
今、小学生や中学生の人は、何でもいいから「好き」と言えるものを見つけて欲しい。それは辛いときに力になってくれるし、それに何よりそれは最強の武器になってくれるから。ポケモンだって丸腰じゃジム戦には勝てない。でも、ポケモンがいれば勝てるかもしれないし、戦える。だから、そんな「パートナー」を見つけてみて欲しい。