王が定めた期日。
 大広間に一同に集められた臣下達の前に王が現れる。
 数人の側近の者と共に王座に付くと、ざわついていた広間も緊張感に包まれて静かになった。
「さて、さっそく次期王の任命について話し合いたいのだが…見つけ説得出来た者は名乗り上げるがいい」
 王の言葉に息を飲んで周囲の様子をうかがう臣下たちだったが、誰一人として動くもの、声を発する者はいない。
「どうした、誰も居らぬのか?」
 静まり返ったままの会場を一望して小さく苦笑混じりの溜息をついた。
 側近達と共に王の傍らに控えていたクーデノムに王は視線を向ける。
 視線を受けた彼は小さく肯いた。
「仕方ないな…ではクーデノム、誰を王に選ぶか?」
「次期王には……」
「お待ち下さい」
 クーデノムの言葉を遮ってマキセが一歩前に出てきた。
 王が了解とばかり視線をマキセに向けると、皆が注目する中、はっきりした口調で彼は言葉を放つ。
「私はそこにいるクーデノムを次期王に推薦したいと思います」
「マキセ?」
「国の内外を問わず、総て把握している彼が私はふさわしいと思います」
「ほう」
 彼の言葉に興味を持ったらしい王はそのまま続けるようマキセを促す。
「彼なら今更新しく仕事を覚えることも必要なく、皆からの信頼も厚い。今回の事も彼が王になれるようにはなっていない。ですから、私はここで彼を推薦します」
「どうする? クーデノム?」
 ニヤッと口元に笑みを浮かべ視線を寄こす王の問いかけに、言葉を詰まらす。
「……っ……」
「……私もマキセ殿の意見に賛成ですな」
 王の横に控えていたクーデノムの上司でもある文官長のハイニが頷いた。
「私も、クーデノム殿になら……」
「…俺も」
 国の重臣である彼の言葉に続くようにして次々と声を上げていく人々。
「クーデノム」
「…私は王になる気は……!」
「次期王はクーデノムに選ばせるとは言ったが、決定させるとは言っておらんからなぁ」
「王!?」
「どうだ、クーデノム。ここにいる皆が望んでいる」
 皆の視線が集まって反論が思いつかない。