夏も終わり通常授業に戻ると
カップル誕生の噂が流れていた。

誰と誰が付き合い始めたとか。
そんなこと興味はないはずなのに

情報通の舞花ですら教えてくれなかった
カップルの噂が出て来て
気が気でなかった。


でも噂が本当なんじゃないかって
確信したのは
部活の帰りに
門倉と恭子ちゃんが一緒に門を出たのを
見てしまったから…。



ねー
嘘だよね?



恭子ちゃんに畳まれたジャージを嫌がったり


私に写真を大事にしろって
言ってたのはなんだったの?


キャンプファイヤーの都市伝説を
叶えたってこと?


それなのに、写真を大事にしろって
言ったの?



よくわからないよ。






でも、私には確認する勇気なんてなくて
かといって
気にしないようにすることも出来なくて

ただ、ただ
イライラしていたんだ。







そんな噂を門倉は知らないのか
私への対応はいつもと変わらなかった。


私のお弁当の卵焼きを勝手に食べたり
移動教室への道具を私に運ぶの頼んだり


そんな毎日にイライラしてたんだ。

それなのに
帰りの門でアイツが変なこと言うから
絶対に言いたくなかったのに…
口走ってしまった。



「なー。明日俺の弁当も作ってきて」



『はぁ?私は門倉の彼女でもないんだから、なんで私が‼︎
そんなの彼女にやってもらいなさいよ!』


咄嗟に出てしまった言葉に
自分でも嫌気がさして、
恥ずかしくなって、
その場を走り去った。