「5分て、なかなか長くないか?」
と、現実的な事を言う舞花。



「あ?いたいた。
マジで暗いんだな、
目が慣れるまで全然見えなかったわ」
と、近藤が最初に口を開いた。


そうそう、
夏祭りの時もそんな光景あったな…

あ。
じゃあ あの時も私を無視したんじゃなくて
見えなかっただけなのかもしれない。。

なんて、また期待を膨らませた。


「怖くないのに先に進まなかった理由は?」


と、私のことを直視して門倉が言った。


『べ!別に怖くないけど門倉が待て!
て、いうから待ってあげてただけだし』



あぁ、また強がり。
さっき後悔したばっかりなのに
また同じことしちゃう。


「へぇー。待てって言うと待つんだ。
やけに素直じゃん」


ん?なんて?


「じゃレッツゴー!」
肝試しなのに元気モードな近藤のせいで
最後の方の言葉が聞き取れなかった。



もしかして

す.な.お


て言ったかな?…






肩を組みながら前進する男子2人に
付いて行くように
私達も恐る恐る前進した。




周りは真っ暗だけど
4人でいるおかげで

肝試しというより満天の星空の下で
楽しく散歩してるようだった。