手を振り払おうとするがビクともしない。 そんな私の姿を一君は悲痛そうな顔で見ていた。 そしてそのまま私を強く抱きしめた。 普段なら総司や平助が止めに入るが今は誰も止めない。 「分かっているだろう。あの人の気持ちは変わらない」 耳元で囁く一君の胸を無理やり押し退ける。 「それでも行かなきゃ行けない。ここでじっとなんてしれいられない。局中法度に反するなら切腹だってする。でも山南さんをこのまま放ってはいられないの」 走って部屋を抜け出すと慌てたような三人の声と足音が追ってくる。