「山南さんには明里さんがいてくれるから大丈夫そうね」


「あんなに幸せそうな山南さんを初めて見た」



私達は気付けなかった。


心の底から慕っていた人が、既に決意を胸に秘めていたことを。


取り返しのつかない事をしようとしていたことを。


私達はもう引き返せないところまで来てしまった。


それは何度悔んでも悔やみきれない。


同志の闇に気付けなかった私達が一生背負う枷となる。