「もっと買えばいいのに」 「これで充分だよ」 不満気に唇を尖らず平助の可愛らしい姿に思わず「ふふふ」と笑みが溢れる。 続いて連れてこられたのは鍛冶屋。 何と刀まで買ってもらえるみたい! 嬉しさとこれから人を斬らなければならない責任が雪の心に同時に現れる。 「腰に挿して見て長さとか抜きやすさを確かめて選んで」 刀の選び方を知らない私に丁寧に説明をしてくれる平助。 本当に優しいな。