* 「俺が良いと言うまで決して口を開くな」 京に着き、新撰組屯所はもう目前と言う時に、一は雪に言った。 「何で?」 「何でもだ」 それ、理由になってないよ。 思わず心の中で突っ込んだ。 「行くぞ」 「あ、ちょっと待ってよ!」 門をくぐった一を慌てて追いかけるとギロリと睨まれ、慌てて口を手で抑えた。 この門をくぐれば、みんなに会える。 高鳴る鼓動を落ち着けるために胸に手を置き深く深呼吸をする。 よし。