「あいつら新撰組のせいで京は燃やされたんや」 「これは池田屋で新撰組に仰山仲間を殺された勤皇志士達の報復やで」 「ほんま疫病神やわ」 「わての父ちゃんやのうてあいつらが死ぬべきやったんや!」 それらは陰口から始まり、徐々に野次へと変わって言った。 「雪、そろそろ行こう」 「…うん」 私は千代から羽織を返してもらい、千代親子に頭を下げると総司と共に山を降りた。 町民たちの怒りや悲しみの篭った野次を受けながら。