強く願うと頭にポンッと優しく大きな手が乗った。
顔を上げるとそこにはいつもの仏頂面ではなく、呆れたような微笑を浮かべる一君がいた。
「こんなところで何しているんだ?」
「わかんない…気づいたら外に出てて……ここにいた」
「そうか」
それだけ言うと一君は私の隣に腰を下ろした。
そして私の頭を一定の速さで撫でながら普段あまり語らない一君が口を開く。
「総司と小鈴が見ていられなかったんだろう」
ズバリ言い当てられ心の臓が一度激しく脈打った。
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