土方から何かを聞いた原田はニタッと汚らしい笑みを浮かべながら今度は小鈴に耳打ちした。


小鈴はにっこり笑って頷くと真っ直ぐ総司の元へ向かう。

待てよ、何をしているんだ?

小鈴に穴が空くくらいジッと見つめていると彼女は突然総司にしな垂れながらお酒を注ぎ始めた。

しかも総司が楽しそう。

総司と綺麗な小鈴が並ぶ姿は絵になるくらい美しかったから余計に胸が痛んだ。


あれ、私凄く胸が痛い。


これ以上小鈴と総司の姿を見て見ていたくなくて私は静かにお座敷を抜け出した。


「俺…やり過ぎたか?」

「泣きそうだったな」


雪の目に溜まった涙を見て原田と土方がそんな話をしていたことを雪は知らない。