「なあ、俺、どーしたらいいのかなー」



そう俺に問いかけてきたのは、昔からの腐れ縁である佐田 雄也(サダ ユウヤ)だ。

いわゆる幼馴染というやつで、こいつはいつも勝手に俺の部屋に入り込んでくる。



「しらねぇよ、つうかオマエは主語がねえんだよ、主語が」



腐れ縁というだけあって、俺もコイツの前では素が出せる。まあ、なんていうか、たぶん一番心を許せる存在なんだろうな。



「なあ郁也ー、俺アイス食べたいなー」

「勝手に買ってこい」

「えー、そこのコンビニまでついてきてよ」

「はあ? オマエ、人の家でなんて図々しいんだよ」



なんだよー、なんて言いながら俺のベットに寝始める雄也。ひと懐っこい犬みたいな奴だけど、顔だけは整っているから意外と女子ウケはいいらしい。俺と2人で並んでいるといつもキャーキャー言われるのも事実。


つうか、呑気なやつだな。
こっちは色々悩んでるっつーのに。