「…………」

「そんなに好きなんでしょ?! だったらさ、なんで体重ねることしか思いつかないの?! もっと伝えるべきことがあったんじゃないの?」



女の顔が固まる。
でも、顔の赤みが段々薄れていく。



「どんだけ好きかなんて知らないけど、好きなら真正面から向き合いなよ……。
ちゃんとその気持ち伝えることのが大事なんじゃないの……?」

「だって……西条くん、私なんかに振り向いてくれるハズない……」

「そりゃあ、こんな風に私を呼び出して、ずるいことしてるような人を好きなんてなるはずないよ。郁也は、ちゃんと内面を見る人だと思う」



_______ああ、どうしよう。


林檎の言葉が、段々俺に染み渡っていくみたいだ。

今まで感じたことのないような感情が、ふつふつと俺の中に湧いてくる。


女なんて一緒だと思ってた。所詮俺の外見にしか興味がなくて、わかってくれる奴なんていないと思ってた。

……でも。

林檎は、こんな俺の中に入り込んできた。すんなりと、まるで必然みたいに。


やばい、ちょっと、泣きそうだ。