「あのね、」
林檎がゆっくり口を開く。
俺に近づくように、精一杯の背伸びをして。
「来年のクリスマスも、一緒に過ごしてくれる?」
赤くなった林檎が、ゆっくりと背伸びをやめて。上目遣いで恥ずかしそうに俺を見上げる。
俺は思わず笑みをこぼした。
バカじゃねえの、ホント。
……かわいすぎて毎回まいるよ、林檎には。
強引に、それでも優しく、林檎の手をとった。
「来年もその先もずっと過ごすよ、もう絶対遅刻なんてしねえ」
ずっと一緒にいるに決まってる。
林檎が嫌だっていうくらい、ずっと。
お互い恋愛なんて初めてで、わからないことだらけで、喧嘩もしたし維持も張り合ったけど、一緒に進めばいいんだよな、少しずつ、ずっと。
林檎の隣にいるからわかったこと。
恋とか愛とか、きっと恋愛なんて最初からわかってる奴なんてひとりもいない。たぶん、誰よりも好きになった相手と、答えを見つけていくものなんだって。
愛、も、恋、も。
林檎と一緒に、俺たちなりの愛をつくっていけばいいんだって。