「勝手に決めないでよ!」

「はあ? おまえこの俺に何か不満でもあんの?」

「いやそーゆーことじゃ、」



話終わる前に一瞬で手首をつかまれて、私はイケメンに引き寄せられた。

あっという間に、何故かイケメンの腕の中にいる私。


「『仮』ってどうよ?楽しそうだと思わね?」


耳元でささやく。
カッと顔が熱くなったのはしょうがないと思う。

ていうか、さっきは恋愛に初心者同然って言ったけど、やっぱりコイツと私じゃスキルの差がありすぎる!



「な、何それ、意味わかんない!」

「だから……みんなには付き合ってるってことにしとくの。んで、これは賭け」

「……賭け?」

「お前は俺を好きになる……そーいう賭け」

「はあっ?!」



どんだけ自意識過剰なんだ、コイツ!


「で、お前は俺がお前を好きになるって方に賭けんの。おもしろくね?」


おもしろくともなんともない!
だけど私を引き寄せたイケメンの手の力は優しくて、耳元で話す口ぶりはなんだか楽しそうだった。


「私は絶対、好きになんてならないから!」

「じゃ、決まり。そーゆうことで。」

「勝手に決めないで!!?!」