◇
「本当に待ってなくていいの?」
「うん、大丈夫、ひとりで帰れるよ」
「ほんとに……?」
「うん、それにね、なんかひとりで歩きたい気分なんだよね。ありがとね、舞」
「そっか……」
心配してくれる舞を笑顔でなだめて別れる。さすがに1時間以上待ってもらうのは気がひけるし。
今日は委員会。
いつもは郁也が終わるまで待ってくれていたんだけどなあ、なんて。
結局、郁也は今日一度も教室に現れなかった。付き合う前に逆戻りだ。
学校にも、もしかしたら来てないのかもしれない。
図書委員会が行われる図書室について、いつもの定位置である一番窓際に座った。
この席はなんだか落ち着くな。今はあまり何も考えたくない。
いつもは雄也が私の隣に座るけど、今日は隣が誰かの荷物で埋まってるから無理だろう。
委員会が始まる時間になって、委員会会長が立ち上がった。先生はまだきていないけど、もう始めるんだろう。いかにも真面目そうな委員長が号令をかけて、この会は始まる。
今日は、雄也いないんだ。
そんなことを思ったとき、ガラガラッと扉がいきなり開いて、汗だくの雄也が入ってきた。
「すいません、ちょっと遅れましたっ」
雄也は一度いつも座る私の隣を見て、席が空いてないことを知ると、ずかずかと私の前にやってきた。そして、ちょうど開いていた目の前の席に座る。
いつも、挨拶くらいかわすのにな。
そうか、もう、「郁也の彼女」じゃなくなった私は、雄也の友達でもないのかもしれない。
どうでもいいや、もう。
何にも考えたくない。
こうやって何気ない日を何度もなんども過ごしていれば、きっと忘れられる日が来るんだろう。中学生のあの時のことも、郁也のことも。
だんだん、ゆっくりと、忘れていくんだろう。
「本当に待ってなくていいの?」
「うん、大丈夫、ひとりで帰れるよ」
「ほんとに……?」
「うん、それにね、なんかひとりで歩きたい気分なんだよね。ありがとね、舞」
「そっか……」
心配してくれる舞を笑顔でなだめて別れる。さすがに1時間以上待ってもらうのは気がひけるし。
今日は委員会。
いつもは郁也が終わるまで待ってくれていたんだけどなあ、なんて。
結局、郁也は今日一度も教室に現れなかった。付き合う前に逆戻りだ。
学校にも、もしかしたら来てないのかもしれない。
図書委員会が行われる図書室について、いつもの定位置である一番窓際に座った。
この席はなんだか落ち着くな。今はあまり何も考えたくない。
いつもは雄也が私の隣に座るけど、今日は隣が誰かの荷物で埋まってるから無理だろう。
委員会が始まる時間になって、委員会会長が立ち上がった。先生はまだきていないけど、もう始めるんだろう。いかにも真面目そうな委員長が号令をかけて、この会は始まる。
今日は、雄也いないんだ。
そんなことを思ったとき、ガラガラッと扉がいきなり開いて、汗だくの雄也が入ってきた。
「すいません、ちょっと遅れましたっ」
雄也は一度いつも座る私の隣を見て、席が空いてないことを知ると、ずかずかと私の前にやってきた。そして、ちょうど開いていた目の前の席に座る。
いつも、挨拶くらいかわすのにな。
そうか、もう、「郁也の彼女」じゃなくなった私は、雄也の友達でもないのかもしれない。
どうでもいいや、もう。
何にも考えたくない。
こうやって何気ない日を何度もなんども過ごしていれば、きっと忘れられる日が来るんだろう。中学生のあの時のことも、郁也のことも。
だんだん、ゆっくりと、忘れていくんだろう。