◇
「ねえ、アンタさあ、林檎どうしたか、知らない?」
放課後。
モヤモヤしたまま荷物をまとめていた俺に、そんな風に話しかけてきたのは、林檎の心友、舞だ。
コイツとは犬猿の仲ーーでもないらしい。たぶん、俺と同じくらい林檎のことが大好きなんだろう。証拠に、ひどく不安そうな顔をしている。
でも……。そんなこと、俺に聞かれたって。
「わかんねえ」
コイツの前では何故だか素がでてしまう。
たぶん、林檎の大事な人だからだろう。
舞は間を少し開けてから心配そうな顔をして、「そう……」と呟く。視線は下げたまま。
俺だって。
俺だってわからない。何が原因で、何が嫌だったのか、ハキッリ言ってくれなきゃ。
付き合ってたって、両想いだって、俺は林檎のこと、なんもわかってねえんだよな。ホント情けない。
「あのさ、こんなこと聞くのはなんだけど……」
舞が、口を開いた。
「日曜日、デートだったんでしょ? ……待ち合わせに遅れたりしなかった?」
「ねえ、アンタさあ、林檎どうしたか、知らない?」
放課後。
モヤモヤしたまま荷物をまとめていた俺に、そんな風に話しかけてきたのは、林檎の心友、舞だ。
コイツとは犬猿の仲ーーでもないらしい。たぶん、俺と同じくらい林檎のことが大好きなんだろう。証拠に、ひどく不安そうな顔をしている。
でも……。そんなこと、俺に聞かれたって。
「わかんねえ」
コイツの前では何故だか素がでてしまう。
たぶん、林檎の大事な人だからだろう。
舞は間を少し開けてから心配そうな顔をして、「そう……」と呟く。視線は下げたまま。
俺だって。
俺だってわからない。何が原因で、何が嫌だったのか、ハキッリ言ってくれなきゃ。
付き合ってたって、両想いだって、俺は林檎のこと、なんもわかってねえんだよな。ホント情けない。
「あのさ、こんなこと聞くのはなんだけど……」
舞が、口を開いた。
「日曜日、デートだったんでしょ? ……待ち合わせに遅れたりしなかった?」