ずっと前にね

放っておけなくて構ってしまう俺にも責任はあるだろうな。千里はしっかりしているように見えて結構頼りないから、一人にしておきたくない。そばに置いておきたくなる。
だからっていう訳じゃない。都合が良いって事も分かっている。ただ、傷付けたにも関わらずまだ何かしてあげたいと思ってしまうんだ。

「ごめんなさい・・・」

どうしてだろう。俺が寝惚けて抱き締めたせいなのか。千里が取り乱してテンパっているだけなのか。千里との話が噛み合わない。
今回は完全に俺が悪いし、千里に100パーセント悪気は無い。パニクっていても無理はないだろう。もしかしたらここで俺を待っている事も悩んでいたのかもしれない。
怖い事をされた。でも、自分を分かってくれる数少ない知人の一人だから先に行くのも嫌だ。それで嫌われたら、離れていってしまったらといらない心配をして不安になっていたのかもしれない。