嘘、ほんとはただ気持ちを伝えて今みたいな関係でいられなくなるのが怖いだけ。


ほんとは今すぐ「好き」って言いたい。


でもこの関係が壊れるくらいなら気持ちなんて伝えなくていい。


だから、私に出来ることは二人の邪魔をせず彼方の幸せを願うことだけ。


彼方が幸せになれるなら私の想いが届かなくたっていい。



「玲香、時間大丈夫か?」


こうやって彼方が心配してくれるのも私を妹のように思ってくれてるから。


「あっ、もう帰るね」


「外暗いし送る」


「大丈夫!まだ7時だし」


「玲香ちゃん、ほんとに大丈夫?」


ほら、仁奈さんだって突然現れて倉庫に出入りするようになったわたしにも優しく接してくれる。


だから余計伝えちゃいけないんだ。


私の気持ちを知れば仁奈さんだっていい気持ちはしないから。


「ほんと、大丈夫ですから!さよなら!」


あのままじゃ色々な感情が溢れてきてどうしていいかわからなくなりそうだったから急いで倉庫から飛び出した。