「来いよ、今日学生ただみたいだから」


「えっ!嘘っ⁉︎」



ぐいっとわたしの手を引っ張る千尋くんの手は、昔と変わらない温かい手だった。



「大丈夫だって。乗り物乗ったら矢吹のことなんて忘れるって。」


うーん……


ちょっとそれは難しいよ。


だけど少しでも翔くんを
忘れられるなら思いっきり楽しもうっ!


「千尋くんっ!全部乗ろう!」


「全部っ⁉︎」


そうだよ。


翔くんなんか忘れちゃえっ!


わたしのこと可愛くないって言ったんだ。(ほんとに可愛くないんだけど)


あんな人、彼氏なんかじゃない。