「俺に何か用事?」



嫌な予感はこうも当たってしまう。


どうしよう。


私の目の前に翔くんが……。


「あ、のっ……」


「俺たち別れたんじゃなかったっけ?」



ーーーえっ?


なにそれ。


私たちは……距離を置いてるだけだよね?


私は別れたくなんかないよ。


「翔くん。」


思考停止していたその時、翔くんの名前を女の子が呼んだ。


聞き覚えのあるその声は昨日聞いた
彼女の声。


「有香。」


私以外の子の名前を愛しい声で呼ぶ翔くん