「関係ない。ひな子の熱なら移ってもいいし。」


「……っ」


ひなちゃんの顔が真っ赤に染まっているのは熱のせいだろうか?


それともーーー


「俺だけ見てろよ、バカ。」


俺だけを見て欲しい。


誠意のこもった目でひなちゃんを
凝視すると、可愛らしい唇が開いた



「わたしは……翔くんしか見えてないよ。翔くん以外の男の子なんて……興味ない。」


「……っ!」


やっぱり俺は……

ひなちゃんには絶対敵わない。



ひよこのような容姿をしたこの子の方が……


何枚も上手のようだ。



「ひなちゃん、もう別れるなんて言うなよ?」


「うんっ。仲直りだね。」



俺とひなちゃんは笑い合った。


仲直りできた。



でも、俺たちは気づいていなかった


これは初めの試練に過ぎなかったことを



これからもっと、もっと
過酷な試練が待っているとは全然気づかなかったんだーーーー。