「ありがとう、翔くん。」


わたしは笑った。
泣きながらーーー。


「やっと笑ったね、ひなちゃん。」


「えっ?」


翔くんはわたしの好きな笑顔で笑う。


「俺、ひなちゃんの笑った顔好き。」


「翔くん……」


いつの間にか観覧車は頂上まで上がっていて、窓を見るとかなり見下ろしがよかった。


「キス…していいかな?」


「うん。」


頂上に到達した時、わたしと翔くんはキスを交わした。