「ごめん、こんな寒いところ連れ出して」


「えっ。ううん。大丈夫だよ。」



私は顔の前で両手をぶんぶん振った



いつも、いつも千尋くんは自分より
私を優先してくれる。



今だって自分も寒いはずなのに
私の心配を……



「あいつらが言ってたこと……気にすんなよ。」


「うん……気にしない。ありがとう、千尋くん。いつも守ってくれて。でもわたしは……」


また涙が溢れ出した。


「わたしは千尋くんに守ってもらうばっかりで、わたしは何にもできなかった」