涙が自然に溢れてくる。


「こっち来い。」


ぐいっと千尋くんの温かい手が
私の手を握る。


その手に誘導されるみたいに教室から抜け出した



きっと私が泣いているのを
みんなに見せないようにして。


千尋くんは昔からそうなんだ。


辿り着いたのは北風がよく当たる屋上