「……子……ひな子。」


「えっ。」


ぼーっとしてて千尋くんの声聞こえなかった。


慌てて「何?」と聞き返すとふわっと暖かい物が私の首に巻かれた。


茶色いマフラー。


「いいよ!千尋くんが寒いから!」


「バカ。お前は風邪引きやすいんだから巻いてろよ。」


「千尋くん……」


優しいな、ほんと……


きゅっと千尋くんに巻かれたマフラーを握る


「ひな子、余計なお世話かもしれねーけどさ……」


「ん?」


「矢吹とちゃんと話せよ。」