泣きそうなわたしに気づいた矢吹くんはきゅっと抱き締めてくれた。



温かい矢吹くんの腕…


幻なんかじゃないよね。



「ひなちゃんより可愛い女の子はいない」


頭上から甘い言葉が降ってきた。


顔が赤くなってしまったのがばれないように俯く。


「それに……ひなちゃんが本気の恋をさせてくれたんだよ。ひなちゃんに出会ってなかったらこんなに毎日楽しくなかった。お前みたいな根性が腐った女とまだいたかもな。」