「ちょっと可愛いからって翔に可愛いがられちゃってさ。森山くんにだって守られてずるい。あんたなんてただ小さいだけのくせにっ!」


「ひゃっ…」



咄嗟に目を瞑った。


竹内さんがまた右手を振り上げて私を殴ろうとしたんだ。


さっきは千尋くんに助けてもらったけどーーーー


今度こそ、わたしは殴られる。


だけど、一向に痛みがこない。



「っ⁉︎矢吹くん⁉︎」



私の目の前に立っていたのは今1番話がしたかった矢吹くんで、彼女の手を掴んでいた


嘘っ……


どうして?
わたし、確かひどいことを言ったよね?



「お前、ひなちゃんに何しようとした?」


いつもの人懐っこいような声はどこに行ってしまったのかと、疑いたくなるくらいの低い声の矢吹くん。