結弦~version


今日 会社帰りに月夢の会社に迎えに行き、車から降りてエントランスを見ていると 月夢の横に仲の良さそうな男がいる。

カッとなって 俺は急ぐ。

「月夢、そいつ誰?」

とその男に睨みを聞かせて問う。月夢の同期で同僚という事はわかるが、近いだろ?

自然と月夢をそいつから引き離し 俺の胸に片手で引き寄せ抱きしめる。

俺の月夢に触るな。本当は視界にすら入れて欲しくはないんだよ。

…なのに、月夢は抱きしめるのを止めてと言う。わざと仲が良い所を見せたくて、強引に手を繋ぐ。

月夢の事は構うなと牽制だけして帰るとか大人げないし 格好悪いくらいに余裕なんてない。

月夢、お前は無防備な癖に 男に隙を見せ過ぎ。俺は毎日心配で堪らないんだよ…

特に 最近は一気に可愛くなり、俺の監視が届かない時間が怖い…

今もご飯を美味しそうに食べる月夢を、俺だけが見ていたいのに、回りの男共も ニヤニヤしたやらしい目で月夢を見ている。

ああ、これが俺の彼女なら…甘いデートになるのに、残念で仕方ない。

帰って風呂に入った。明日は面倒な接待で、月夢との癒しの時間が確実に減る。しかも今日はムカツク男の出現で月夢をもっと近くに感じたい。

月夢が怖がる前提で見せる映画…途中月夢は泣きそうになりながら 見終わった。

俺は自分の部屋に入り待つ…

コンコン…

やっぱり来た…

「どうした月夢?」

「///お兄ちゃんあのね…今日一緒に寝てもいい?」

ほら狙い通り…月夢可愛いけど チョロ過ぎだろ?

「え~やだよ。狭くなるし何で?」

「///お兄ちゃん怖くて目を瞑れないから、側に居て欲しいの…」

///あ~可愛い…直ぐに抱き締めたい…どうしょう…

「///お願い…ぎゅってして…」

はい。ダメなやつだ…もう何も考えずに理性崩壊したい。

「仕方ないやつ。今日だけだぞ…おいで///」

俺のベッドに月夢を連れて布団をめくり自分と一緒に入り 月夢を優しくぎゅっとする。

///はぁ~幸せだ…顔が緩んでそうだから気を付けないと…

「月夢これで怖くないだろ?」

「うん、お兄ちゃんありがとう。でも絶対側にいてよ。お休みなさい…」

「ああ お休み…」

チュッとおでこにキスを落とす…月夢お前が望めば ずっとこの先も俺が側にいる…

願いが叶う事は永遠にはないのだが…