「──い…おいっ、朝倉大丈夫か?」


ハッとして 呼ばれているのに気付く。


「かなり顔色が悪いし 顔が白いんだけど…」


「あ…ちょっと考え事をしていて…しっかりしなきゃいけないのに、駄目だよね。」


課長は 会議室から出て行っているから 今は志木君と二人きりでいる。

ぐいっ。引き寄せられ志木君の胸が目の前にあり息が苦しい。


「あ~、俺朝倉の為に何にも出来ない。ただ 横でオロオロするだけだなんて、情けないよな…。

だけど、泣くなよ…。俺抱きしめる位しか出来ないけど、朝倉は何にも悪くはないんだからさ…。」


背中をポンポンと優しく叩いて 私を落ち着かせてくれようとしている優しい志木君。


「朝倉のお兄さん来てくれるんだろ?それまで 俺に甘えてよ。同期のよしみでさ。」


こくん。と頷き お兄ちゃんが来るまでの一時だけの静かな優しい時間 志木君の胸で甘えさせてもらった。