今日は何回も翔君からLINEや電話が来ていたけれど スルーして私は逃げていた。

定時になり、素早く志木君と帰り電車に乗った。翔君が会社で待ち伏せしない為に…早く会社から離れたかったから。

今日は本当に家にも帰りたくない。家にはお兄ちゃんがいるし、私には帰る場所がない。

「今日は何を食べに行くの?」

「///ん…考えたんだけど…考え過ぎてわからなくなって…。俺の家?」

「志木君は実家なの?」

「///違うよ…」

「独り暮らし?」

「そうだよ…。家じゃダメ?」

「志木君…あの、お願いがあるの。」

「朝倉のお願いなら 何でも聞いてあげたいから言ってよ。」

「今日だけ泊めて欲しいの…」

「///へっ?」

「///ダメ?」

「///ダメじゃ ない…」

「良かった。そしたら志木君のお家でご飯だね。どこかスーパーに寄って買うでしょ?」

「///ってか、朝倉ホントに俺の家に来るの?」

「///だって…家に帰りたくないんだもん。」

「///そんなセリフ男に言っちゃダメだよ。わかった?」

「どうして?」

「男は直ぐに勘違いする生き物なんだよ…特に気になる子に言われたりしたら、堪らないから///」

「わかった。志木君にしか言わないから大丈夫だよ…」

「///おいおい…話聞いてた?」

「何が?」

きょとんとして 志木君に聞いたけど…

「あ~もう。こっちが不戦勝なのに敗退みたいな…朝倉恐るべし…。」

「志木君 スーパーはどこ?」

「ハハ…聞いてもいないし…」

呆れて見ている志木君に気付くはずもなく、月夢は 今日の寝床を確保した安心から 少しはしゃいでいたのである。

事態は中々 ややこしくなるばかりなのに…