よく見れば、実哉の延長線上には樹野くんが居て、それを見てたって思われたみたい……。



断じて違う。



「有り得ない。絶対無いわ」



キッパリ言い切るわたしに、


「もう。今日で離れ離れになるからって強がらない強がらない」



沢田さんは何故か深々と頷きながらこんなことを言ってきた。



言われている意味がサッパリわからない。



正直に首を傾げて眉を顰めているわたしに、沢田さんは怪訝そうにわたしを見ている。




「あれ？ だって、今日で転校しちゃうんでしょ？ 樹野くん」



沢田さんに言われた言葉で、わたしの頭の中は、



一瞬で真っ白になっていった。