女子たちのパワーに圧倒される男子たち。



ごめん……止められないわたしを許して。



頭の中で深く同情した……。







そんな中でも、羨ましく元気な奴ってのは居るもの……。



「聖偉ちゃんっ」


「…………」



ピンクのフリフリエプロンを何の躊躇いも無く身に着けた樹野くんがわたしに近付いて来た……。



「はい。結んでっ?」


にこにこと笑いながら樹野くんが差し出したのは、ヒラヒラリボンのゴム。



「前髪、結んでよ」


わたしの前に椅子を持って来た樹野くんがそこへ腰をおろす。



これでちょうど手の届く位置になったわけだけど……。



「……嬉しそうね」

「聖偉ちゃんに結んでもらえるからねっ」


柔らかい樹野くんの前髪を束ねていたわたしを、



嬉しそうに上目に見つめている。



それから目を逸らして両手を動かすわたしに、



「……両手使えないなんて、無防備っ」


「ちょっ……ちょっと!!」



妖しげに笑った樹野くんは、



伸ばした手でわたしの頬から首筋をサラリと撫でていった。