寂しい……?


って怪訝な顔して聞き返したら、



樹野くんは小さく笑った。



「木下さんを守るのは聖偉ちゃんの役目だったんでしょ?」



役目、なんて思ったことはない。



ただ……。



いつでもわたしの傍に居て、


わたしを好きだって言ってくれる実哉を、


わたしが必要としてたんだ……。



「役目じゃない……。大切な友達だから」



こう言って見上げた樹野くんの顔は、凄く凄ーく優しかった。




今日だけは、樹野くんの腕から逃げ出さないのも良いかなっ。



なんて思ってたわたしの耳に、ドアが勢い良く開く音……。



「聖偉ちゃーんっ!!!!」



ドアが開くと同時に、素早く樹野くんから離れたわたし。



……ナイスわたしの反射神経。



それと入れ替わりに、入り口から突進してきた実哉の強烈なハグ……。



「実哉だって実哉だって!! 聖偉ちゃんのこと大切で大好きで大切なんだからぁぁっ!!」




瞳からポロポロポロポロ涙が落ちている。



「ゆっこ感動……。浅野ちゃんの友情にバンザーイ!!」

「バンザーイバンザーイ!!」