強そうな女と強い女。

もし双方の女性がいるならば、私は前者ではなく
間違いなく後者だ。

強くなりたいと願い
強さを得るために様々なものを犠牲にした過去がある。


だけど、今、決して弱くなりたい訳じゃないけれど、
私の弱さを打ち明ける勇気が欲しい、と君の存在に出会ってから何故か思ってしまう私がいる。

一人でも人は立っていられる。

私は一人でも大丈夫。

そうやって強くなってきたのに、どうしてだろう。

恋は人を優しく変えてくれる。

そして、弱くさせる。


私はそう思うんだ。

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シャッシャッと軽快なスライド音。

流行りのJポップが流れる部屋とぶつかりあって
妙にうるさい。


時刻は13時。

社内はお昼休みの時間になっていた。

私は廃棄扱いになった大量の資料をペーパーカッターに
かけている。

お昼ご飯を食べ損ねた……

お腹すいた……

なんて思いつつ雑用をこなすまでは次の業務にも進めないし、ご飯も遠ざかるしで、無駄な考えは諦めて永遠と紙を投げ込み続けてる。


「はぁ~疲れたぁ……」


肩が凝った気がするんですけども、、


指紋が無くなるんじゃないか、手の油が無くなりかけているのでは、なんて思いつつ、ぽけーっと物思いにふける。