身長162センチ、体重50キロ。

中肉中背、見た目は「細い」に入ると思う。

首元までのショートヘアー。髪の色はややブラウン。
光に当たると少し金色の輪が出来る。
恐らく天使の輪っかとかいうやつ。

二重、爪の形は縦長。
占い師が言うには、その縦長の爪はロマンチックな子に
多いらしい。割りと間違ってないと思う。

時に、今日は8月30日。
私は仕事終わりの重たい体を引きずりながら、一向に優しくならない東京の日差しの元でため息をついた。

「夏が終わる。」

赤信号がゆらゆらと揺れ、ボソッと呟いた言葉が地面に
落ちた。明日で8月は最後なのに今年はどこかに出かける事も無く過ぎ去っていこうとしている、のだ。

現実は。

年齢25歳、職業 舞台関係。主に裏方、というか照明。

高校時代、演劇部という珍しい部活の存在に何故か
惹かれて入部。1年の間は役者をしたけど、どうも合わない、というか大根役者だった私は2年目に照明に転向。

それからは舞台技術の素晴らしさに魅了されて
地元、兵庫県を飛び出し東京で就職。

かれこれ3年の月日が流れていた。
上京したての頃は大学時代に付き合っていた地元の彼氏と

【遠距離になっちゃうけど、愛さえあれば大丈夫だよ!】

【月に一回は会いに行くから!】


なんて話してたんですけどね。若かったなぁー
甘かったなー。

気づけば自然消滅。

それ以来は恋愛の足音が聞こえる様子も無く、
私の毎日は淡々と、それはもうとんでもなく淡々と
過ぎていってる。