「…じゃ、誰だろ。会社のみんなで飲んだ時かな?…ありがとう、みんなに聞いてみるわ」



たどたどしく
慌ててピアスの留め具を手にした



『それ、同じもの…私も持ってる』


「…は?何?楓の?」


『私のじゃない。そのピアスはペアになっているの…二つが合わさるように作られている。…その合わさるのは…裏の留め具だけ。…珍しいから、気に入って、買ったの』


『これは、私の』



そう言って差し出したのは
私のピアス
留め具を外し、達彦へ渡した

達彦は留め具を見つめたまま
ピクリとも動かなくなってしまった



私はただ、達彦が動くのを待つだけ
見た目でわかるピアスの留め具
私のと達彦の部屋にあったのが
合わさるのは明らかだ