笹倉、



その声に振り返る
まっすぐな目で私を見る部長
見透かされているような気がして
思わず顔を背ける



「何かあったら連絡よこせよ、いいな?」


『本当に心配性ですね』


あまりにも真剣で
念を押してくるから笑ってしまった
でも部長はいつもの軽い感じではなく
また私の名前を呼び
「わかったな、」と念を押してきた



部長が帰ってから
鍵もかけ、チェーンもした
窓の鍵も閉まっているのも確認した



片付けを始めて1時間半が経っていた
クローゼットの上の棚の奥に
小さな箱があるのを思い出した

私の背では届かない
二度と目にしたくないと
あえてソコに置いたのだ