結局、私は格安ホテルに泊まる事になった
不動産屋に電話をしてくれたが
今日は無理だとのこと
明日なら、と約束を取れた



「何かあったら連絡よこせ」



部長は自分の名刺の裏に
携帯番号を書いて渡してくれた
その番号はプライベートなもの
いいのだろうかと躊躇してしまったが
今頼れる人は部長しかいない



眠りにつきたいが
壁が薄く隣の部屋の声が丸聞こえ
昨日のホテルとは大違いだ
イヤホンがあったはず、と鞄を漁る


探していると
部屋のスペアキーが目に入った
そういえば、鍵はどこにあるんだろう
もしかしたらまだ犯人が持っているのか、
そう思うと、あの部屋には近づきたくない