「いいか?はやる気持ちはわかるが、順序ってあるだろうけど。しかも今日ってなんだよ。ホテルがあるだろうが、」



『大家さんには話しました。事がことだから仕方がないって言ってくれました。引越し業者にも連絡して、次の休みに見積もりに来てもらう予定です。家具や家電はできるだけ使いますが、無理なものは書い直します。だから早く新しい部屋を借りたいんです、早くゆっくり寝たい』



切実な願いだった
得体の知れない人物に怯えながら
毎日を過ごしたくない
少しでも安心できる場所が欲しい


「だからって…、実家は?近距離か?頼れないのか?」


部長の言葉に一瞬、言葉を無くす
どうした、と心配そうに覗き込んで来た