楓っ、
「楓っ!楓っ、どこにいる!?」
居るはずのない亮平さんの声が聞こえた
その声に諦め掛けていた心に光が差す
亮平さんっ、
『…ここ、亮平さん…』
『…たすけ、て、…亮平さんっ、亮平さん!』
最後の力、じゃないけど
出来る限りの抵抗をする
「楓、いい加減に諦めろって」
抵抗すればするほど
健ちゃんは私を殴る
それでも、抵抗をするが
「めんどくせぇ」と言い
私の中へ無理矢理挿れようとしてきた
『いやっ、やめてっ!』
「楓っ!」
ガン、という音とともに
私の身体は軽くなり、温かくなった
「よかった」
この声、この温もり
私は知っている
とても温かくて、安心できる
『亮平さんっ、亮平さんっ』
居るはずのない亮平さんが
今、私の目の前にいる

