「二人でホテルに入っていったの、見てるんだ。これは嘘じゃない。アイツもただの男だ」
健ちゃんから出てくる言葉に吐き気がする
どの口が私を愛していると?
気持ち悪くなってきた
『もう二度と、私の前に現れないで』
もう関わりたくない
この場から立ち去りたかった
「それは無理」
帰ろうと振り返った私の身体は
健ちゃんに引っ張られ引き寄せられてしまった
「愛してるんだ」
健ちゃんは無理矢理
私の唇に自分の唇を重ねてきた
『やっ、やめっ、…やだっ』
どうにか逃げようとしても
健ちゃんの腕が私の身体を離さない
誰か、と助けを求めたくても
肝心な時に誰もいない
どうにか逃げたいが
男の人のチカラに敵うはずもない

